ニートから行政書士・人気講師へ

高校を卒業して、大学に進学した。経済学部。たまたま合格したのが経済学部だっただけだ。

遊んで、バイトして、授業をさぼって…まさに、お気楽学生のお手本。

 

大学3年生の終わり頃になると、シューカツで周囲に変化が出てきた。

ぼくは、採用面接はただの1社も受けなかった。完全に現実逃避していた。

現実逃避するにも大義名分が必要だ。

「なぜ、就職しないのか」

ぼくは、その錦の御旗として「資格試験を受けるから」と掲げた。そして、見事に…不合格となった。

もはや試験を受け続ける気力をなくした自分にショックを受けた。

 

当時はそんな言葉はなかったが、「ニート」の先駆者となった。

 

心配になった父に、「理容師免許を取らないか」と言われた。

父は(今でも元気に現役だが)理容店を経営している。店の後継ぎになることを強いたわけではない。ただ、何にもなれないぼくに、「とにかく前に進め」という思いで理容師免許を取得することを提案してくれた。 

 

そして、晴れて理容師試験に合格した。

このとき「もう、逃げの人生とはサヨナラだ」と決断した。失敗しても、ボロボロになっても、やがて死ぬとき「オレの人生は、こんなにも刺激的だったんだ。マネできないだろう」って言える人生にしたいと思った。

 

不思議なものだ。追い風が吹き始めた。

 

就職は一瞬で決まった。理容師免許を取るときお世話になった理容学校の理事長先生に合格のお礼に行ったら、「学校とは別に美容店をオープンするんだけど、その店の経営をサポートしてくれないか」という話になった。

 

美容店でマネジメントの仕事をしているうちに、「理美容店専門の経営アドバイザーになるのが自分の天職だ」とひらめき、そのために行政書士の資格も持っておくべきだと、ようやく自分の進路が固まる。このとき25歳。

 

行政書士試験本番では、分からない問題を適当にマークしたらほぼ全て当たって、1回の受験で合格(ちなみに、今の行政書士試験は難しくなっているから、こんなことはほぼありえないだろう)。

 

平成13年、26歳で独立。行政書士事務所開業。

「理容師免許を持つ行政書士」という独特のスタイルが業界で注目され、理美容業界の全国新聞に連載が決まる。

 

その連載記事が面白かったということで、本を出版。

 

本を見た方から、講演の依頼やコンサルティングの依頼を受けるようになる。

 

平成22年、事業を株式会社化し、従業員の数も増えた。

今、北は青森から南は沖縄にかけて理美容中心に経営アドバイスを続けている。

 

ニート時代、「今はダメな自分だけど、やがて環境が良くなったら、いい人と巡り会ったら、そのときは前向きに行動しよう」と思っていた。

しかし、いくら待っても全く、いいことなんて起きなかった。

 

今は、思う。

「前向きに行動するから、環境も良くなるし、いい人とも巡り会える」。

順序が逆だった。

 

これからも、元気に活動していきたいと思う。心地よい追い風を感じながら…。